バイクの交通事故

私が特に関心を持ってやっている特殊(というかニッチな)分野として、バイクの事件があります。

理由は自分でバイクに乗っているからです。大学生の時から、乗り続けていますので、もうかれこれ20年以上、ライダーをしているのです。


バイクには転倒の危険もありますし、体をむき出しの状態で四輪車と同じスピードを出し、混走しますから、何かあれば直ちに命の危険があるわけです。

そのため、交通事故となれば、ただでさえ、重大な被害が生じやすいのです。


ところが、バイクに乗らない人からすると、バイクはただ危ないとか、邪魔とか考えるのみで、四輪車とは異なりいわば弱い立場である考えられる人は多くありません。

運転免許を持っていない人はもちろん、持っていても四輪車だけしか運転したことがない人は、なかなか二輪車=弱者との感覚を有しにくいことが多いと思います。


このことは、裁判等でも同じです。

弁護士の中でバイクに日常的に乗っている人はあまり(ほとんど)いません。

裁判官であればなおさらです。

そのため、バイクの特性などが正しく理解されないまま、事件が進むことは少なくないと思います。


そのような場合、バイクからの視点をきめ細やかに主張して、妥当な結論に導くのが重要となります。

直進するバイクの前に、四輪車が無理な車線変更をしてきたため、パニックブレーキとなり転倒(握りゴケ)した事例で、勝手に転んだバイクが突っ込んできたと主張する相手の主張を、バイクの動きを解説して、ようやく退けたことがあります。

逆に、バイクの動きが理解できることで、右折車両(四輪)と対向する直進二輪との衝突事件の際、バイクが渋滞車列を無理にすり抜けてきたために、四輪車からは見えなかったことを主張して、無罪判決を獲得したこともあります。


バイクが関係した事故の場合、誰かが嘘をついているのでもないが、誰も本当は何が起こったかを理解しないこともあり得ることですので、おかしいと思う場合は、早い目に相談されることをおすすめします。